パニック障害
「パニック発作」とは、極めて強い苦痛、不安、恐怖などが突然現れて短時間で治まる発作のことで、動悸や窒息感、めまいや吐き気、発汗、手足の震えなどの症状を伴います。パニック障害では、このような「パニック発作」が生じるほか、発作がまた起こるのではないかという不安が常につきまとう「予期不安」や、過去の発作を連想させる状況を避ける「回避行動」などが認められます。
広場恐怖症
広場恐怖症では、公共機関、美容院や歯科、映画館、渋滞やトンネル、バイパス、高速道路、人ごみや行列、慣れない場所など、すぐに助けを求められなかったり、逃げ出したり、自由になれないと感じる場面で不安が高まる、あるいはそのような状況を避ける、などの症状が認められます。
両者は合併することが多いですが、場面や状況に関わらずパニック発作が起こるもの、広場恐怖に伴ってパニック発作が起こるもの、広場恐怖ではあるがパニック発作を伴わないもの、などの違いで診断が若干異なります。またパニック発作はうつ病などの他の精神疾患で生じることもありますし、特定の状況に対する反応として生じることもあります。社交不安障害・特定の恐怖症の項もご参照ください。
治療
不安の程度にもよりますが、一般的には、発作の抑制と回避行動の克服がカギとなります。その際「症状を我慢する」のではなく「できるだけ症状を緩和したうえで、回避することなく、目的を果たす、といった成功体験を重ねる」「苦手としていた状況に慣れる」ことが重要です。薬物療法としては抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬を組み合わせて行います。精神療法としては段階的暴露療法などの行動療法が中心となります。規則正しい生活、十分な睡眠、ストレスの管理や調節、運動習慣、カフェインや喫煙、飲酒習慣などについて見つめ直すことも大切です。